チームばんそう株式会社 溝渕隆裕さん

広島県起業支援金 採択者インタビュー

人と人との繋がりを紡ぐ。「チームばんそう株式会社」
代表・溝渕隆裕さんが描く、広島での新たな挑戦

チームばんそう株式会社 | 溝渕 隆裕さん

経営コンサルティングを手掛ける「チームばんそう株式会社」の代表でありながら、
シェアキッチン「とりのす Bird’s nest」も運営し、二つの軸で広島の活性化に貢献する溝渕隆裕さん。
移住の経緯から事業への想い、そして広島県の起業支援金の活用について、詳しくお話を伺いました。

まず、広島へのUターンとお店の開業を
決意された理由を教えていただけますか?

きっかけは、広島に住む義母の体調不良でした。以前から妻が「定年退職後は広島に戻りたい」と話していたこともあり、それならばいっそのこと今すぐ広島へ移り、親族の結束力を高めながら、老後に向けて地域にしっかりと根差した生活を送る方が、より一層充実するのではないかと考え、移住を決意しました。

現在、広島で展開されている事業の概要について
お聞かせください。

主に二つの事業を行っています。一つは経営コンサルティング業で、こちらは「チームばんそう株式会社」として活動しています。もう一つが、シェアキッチン「とりのす Bird’s nest」の運営になります。

起業支援金も活用されたとのことですが、
どのような経緯でこの制度を知ったのですか?

妻が広島で再就職したのですが、その職場に数年前に東京から移住された方がいらっしゃって。その方から、こうした支援金制度があるというお話を伺ったのが直接のきっかけです。

支援金は、具体的にどのようなことにお使いになられたのでしょうか?

主に、シェアキッチン「とりのす Bird’s nest」の店舗改装費や、事業を広く知っていただくためのウェブサイトの制作費に充当させていただきました。

シェアキッチン「とりのす Bird’s nest」の店舗の様子

最後に、今後の展望や夢についてお聞かせください。

より一層、人と人とのつながりを大切にした事業展開を進めていきたいと考えています。

広島に移住してから1年が経ちますが、本当に多くの方々に助けられ、ここまで来ることができました。
心から感謝しています。

今回、本支援事業に採択いただき、「とりのす Bird’s nest」というシェアキッチン兼スペースの運営を始めることができました。ここは、何か新しいことにチャレンジしたいと考えている方が、その最初の一歩を気軽に試せる、いわば“おためしの場”です。大きな準備や初期投資がなくても、「ちょっとやってみたい」という純粋な気持ちを形にできる。そんな実践の機会を、広島の中で増やしていきたいという想いで立ち上げました。おかげさまで、先日も広島ホームテレビさんの『ピタニュー』の番組内で「とりのす」を取り上げていただく予定です。本当にありがたいことです。

そして、この「とりのす」は、皆さんのチャレンジを応援するだけでなく、私自身も実践の場として捉えています。例えば、私自身もシフォンケーキを焼いて、施設内のカフェで提供したりもしているんですよ。これは、チャレンジする皆さんを応援するだけでなく、運営する私自身も実践者でありたいという想いからです。ご縁があってありがたいことに、広島ホームテレビさんの『ピタニュー』の番組内で「とりのす」を取り上げていただく予定です。もしかしたら、そのシフォンケーキもテレビに映るかもしれませんね(笑)

実は、「とりのす」を始めた背景には、私自身や「チームばんそう株式会社」としての認知度を少しでも高めたいという狙いもありました。前職でお世話になった方のご縁もあり、令和7年12月開催のふるさと映画祭(秋葉原)にて上映予定の広島県発地方創生ふるさと映画「広島物語」にもご協力させていただく機会をいただきました。ありがたいことに「とりのす」の方が予想以上に多くの方に知っていただくようになり、本業である「チームばんそう」のコンサルティング事業が少し見えにくくなってしまったのは、嬉しい誤算ではあるのですが(笑)、今後の課題でもありますね。

私の本業、「チームばんそう株式会社」が行う経営コンサルティングでは、企業が抱える“根本的な不調”に真摯に向き合うことを信条としています。一見すると売上不振や集客難といった“症状”として現れる課題も、その背景を深く掘り下げていくと、組織特有のクセや思考の滞り、人間関係の複雑さなど、もっと根源的な原因が潜んでいることが多いと感じています。

私は、企業に対する経営コンサルティングを、個々人に対する“医療”のようなものだと捉えています。表面的なアドバイスや一時的な対処療法ではなく、その会社やチームが本来持っているポテンシャルを最大限に引き出すために、じっくりと問診し、組織全体のバランスを診て、必要な“根本治療”をクライアントと一緒になって探っていく。そんなスタンスで経営に携わらせていただいています。

支援事業として始めたシェアキッチン兼スペースの「とりのす」は、そうした「チームばんそう株式会社」としての考え方の延長線上にあるものです。実際に人が動き、試し、新たな出会いが生まれ、時には失敗を経験しながらも確かな手応えを得ていく。経営や事業というのは、決してデータだけでは測りきれない、“人の営み”そのものの連続です。だからこそ、こうしたリアルな実践の場が、個人の成長や事業の発展にとって不可欠な土台になると信じています。

これからも、人だからこそ感じ取れる温かいつながりを大切にし、「チームばんそう株式会社」としても、「とりのす」としても、地域に深く根差した事業展開を進めていく所存です。

溝渕さんの、人や地域への深い愛情と、事業を通じた貢献への強い意志が伝わってきました。「とりのす」が多くの挑戦者にとっての羽ばたきの場となり、また「チームばんそう株式会社」のコンサルティングが広島の企業を元気づけていくことを期待しています。本日は貴重なお話をありがとうございました。

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