広島県起業支援金 令和7年採択者インタビュー
パリのアペリティフ文化を広島で。
ナチュラルワインで繋がる交流の場「Comptoir」
ki.ka.stitch 佐々木佳代さん
東京で30年間暮らしたのち、親族の空き家を受け継いだことをきっかけに広島県へ移住された佐々木佳代さん。
2025年、広島市内の「幟町(のぼりちょう)界隈」に、長年の夢であったナチュラルワイン・スタンド&ショップ『Comptoir(コントワール)』をオープンされました。
フランス・パリで魅了されたという「アペリティフ文化」への想いや、自然素材にこだわったお店づくり、
そして幟町から発信していきたいワイン文化の展望について、たっぷりとお話を伺いました。
パリで魅了された、日常を彩る「アペリティフ文化」
ーー 本日はよろしくお願いします。まずは、30年住んだ東京を離れ、広島への移住と起業を決意された背景を教えてください。
原体験にあるのは、初めての一人暮らしを経験したフランス・パリでの生活です。そこで触れたヨーロッパの食文化、特に「ワインで広がる交流体験」がとても心地良いものでした。
パリでは、どこのカフェでもコーヒーやワインを1杯からカウンターで気軽に立ち飲みできます。仕事の後、帰宅前の自分のリセット時間にしたり、友達との待ち合わせや0次会として利用したり……。1本のワインをグラスで分かち合いながら語らう「食前酒を楽しむひととき=“アペリティフ文化”」に大変魅了されました。カフェやバーのカウンターは、様々な交流のきっかけにもなる、日常生活にかけがえのないものだと実感したんです。
帰国後、「いつかナチュラルワインで繋がる交流の場を作りたい」と夢を抱いていたところ、広島にある親族の空き家を受け継ぐことになりました。温かく見守ってくれる親族の存在もあり、長年抱いていた夢を実現できる場としてプランニングをスタートし、移住を決意しました。
無垢の木に癒される、ナチュラルワイン・スタンド&ショップ
ーー 素敵な原体験ですね。2025年にオープンされた新店舗の概要や、こだわりについて教えてください。
店舗名である『Comptoir(コントワール)』は、フランス語で「カウンター」を意味します。
お店の主役は、広島で偶然出会い、ご縁をいただいた唯一無二の「天然無垢の木のカウンター」です。自然な木の温もりが、目で見ても触っても大変心地良く、癒されます。床も天然無垢にこだわり、壁紙もウッドチップが練り込まれたリサイクル紙を採用しました。
街中の小さなお店ですが、少しでも自然を感じられるインテリアの中で、身体に優しいナチュラルワインを取り揃えています。キャッシュオンで気軽にグラスワインが楽しめて、気に入ったらボトル1本からお持ち帰りもできる「ナチュラルワイン・スタンド&ショップ」です。
ーー 今回、起業に向けて「起業支援金事業」を活用されていますが、どのようなきっかけで知りましたか?
東京の有楽町にある東京交通会館「ふるさと回帰支援センター」で窓口相談を活用したんです。その際に「広島移住フェアー」を教えていただき、そこでこの支援制度を知りました。約2年間の準備期間を経て、こうしてトライアルとして形にすることができました。
幟町界隈から広島のワイン文化を盛り上げたい!
ーー 最後に、今後の展望やお店を通じて実現したい夢を教えてください。
当店がある広島駅から徒歩圏内の「幟町界隈」は、個人経営のこだわりの飲食店が程よく点在していて、ランチや夜のレストランにとてもオススメのエリアです。ただその一方で、ランチの後は一旦お店が休憩で閉まるため、夕方は一見閑散としてしまうんですね。「もっと色々な楽しみ方の選択肢があればいいのに……カフェ感覚でグラスワインが楽しめるお店が夕方にも欲しい!」そんな想いも、お店をオープンした理由の一つです。
このエリアは、欧米からの旅行者や国内外からのビジネス出張者の往来も増えているので、カウンターで気軽に異文化交流ができれば理想ですね。
そしていつか、近隣のレストランとコラボイベントを定期的に開催し、「幟町界隈から広島ワイン文化を盛り上げていきたい!」と思っています。フランスやイタリアのワイン生産者と、広島のワインラバーが繋がるような店内イベント交流を実現させるのが、今の大きな夢です。